古い、汚い、金はない。弱小水族館はなぜV字回復できたのか!?
どうもパケです
今回は「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記」(小林龍二著,風媒社)についてのご紹介です

- 自分の会社を変えたい!でもどうすればいいかわからない
- 予算がなくても成功する方法が知りたい
- どうして古くて、小さな水族館が人気になったの?
所在地 | 愛知県蒲郡市竹島町1-6 |
---|---|
入園料 | 大人1名ワンコイン(500円)/小中学生200円/小学生以下無料 年間パス:大人1250円/子供500円 |
開園時間 | 午前9時から午後5時まで |
休館日 | 毎週火曜日(祝日の場合は翌日) |
公式ホームページ | https://www.city.gamagori.lg.jp/site/takesui/ |
電話番号 | Tel:0533-68-2059 Fax:0533-68-3720 |
インスタグラム |
この記事の目次(タップして読みたいところへ)
小林龍二さんは竹島水族館の館長
竹島水族館は、愛知県の蒲郡市にあり、建築は1962年と古く、日本で4番目に小さな水族館

この古く、小さな竹島水族館が話題を集めていることをご存知でしたか?
そのユニークな展示方法や、「小さな水族館」というレッテルを逆手にとった運営で入館者が増加し、2018年度には、竹島水族館の史上最高の47万5千人を達成しました
その原動力となったのが、竹島水族館の名物館長、小林龍二さんです
「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記」は小林龍二館長が自ら書いた著書となります
お魚大好きの青年が、弱小水族館を救うまで
小林龍二さんは、小さな頃からお魚が大好き!そんな理由から、水族館で働くことを目指していたそう
しかし、当時は就職氷河期。大学卒業後、大きくて、きらびやかな人気の水族館に就職を希望するも、残念ながら叶わず。そんな時、たまたま欠員募集していた、地元の竹島水族館に就職することになったそうです
夢の水族館でのお仕事!しかし・・
古く、小さい水族館ながらも、楽しく飼育員として働いていた小林さん
しかし、しばらく働くうちに、この水族館の異変に気づきます
そう、とにかくお客さんがいない・・
館内に広がる静かな空間、お客さんが1人のアシカショー・・
廃館の検討までされているという、まさに、逆境、崖っぷち
そんな危機的状況から、小林青年の改革は始まりました
復活のポイント1:「予算がなくても諦めない!」
他の水族館でも見られ始めていた、生き物に触れる水槽、所謂「タッチングプール」に目をつけた小林さん
早速、見積もりを出してみると、これがなんと3億円!
”うーむ、どうしよう。予算は二千五百万円なのだ”ー「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記(風媒社),2020年,p42」小林龍二著
この逆境にも、小林青年は数々のアイデアで立ち向かっていきます!
こちらがタッチングプール!完成までには数々の苦労が・・
こういう状況って、どんな会社や組織にもありますよね?
私が勤める介護施設にも「他の施設は新しくて、お金があっていいよな」「うちは、設備も建物も古いしな」こんな言葉をよく聞きます
でも大切なのは
- 今、この場所で何ができるのか?
- 諦めず、頭をフル回転させる
- それでも予算に合わなければ、本当に必要なもの以外を削ぎ落とす
ことなのでは?、と本書を読んで感じました
復活のポイント2:「お魚よりお客さんをみる」
小林青年に学ぶべきところは、とにかく現場にでる!という点です
“お客さんが求めていることを具現化して形にする。それには、現場に出て実際にお客さんを観察するのが一番でした。困った時は現場に出ろ。現場に答えがある。トヨタ自動車を扱った数々の本に書いてありました。 “ー「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記(風媒社),2020年,p93」小林龍二著
小林青年は、トヨタ自動車の書籍だけでなく、他の水族館はもちろん、植物園、動物園、美術館、ディズニーランドにも足を運びヒントを探しました
そして他の水族館を歩くうちに、ある発見をします
お客さんが魚の解説を読んでいない!読んだとしても覚えていない!
竹島水族館に戻り改めてお客さんを観察すると、確かに解説を読んでいないのです
この発見が、のちの竹島水族館名物となる「手書きカンバン」を生み出します


ユニークな手書きの解説。これには、あるこだわりが・・
お客さんと職員の意識には差がある
職場に長く勤めたり、知識がありすぎたりすると、感覚がマヒしてしまうことってありませんか?
介護業界でもよくあります
新人介護職員がベテラン介護職員の言葉遣いや行為に疑問を感じたり、見学に来ていた学生さんから手厳しいご意見をいただいたり
これも、新人さんや学生さんの感覚がマヒしていないことに由来します
- お客さんが何を見ているのか?
- 何を知りたいのか?
- 何を目的に来ているのか?
わかった気でいるのが一番危険。
感覚をマヒさせない為にもお客さんをみる、お客さんの声を聞くのが大切であると学びました
復活のポイント3:「人との出会い」
苦節の末、2015年に竹島水族館館長となった小林さん
2010年度は来館者が過去最低の12万5千人であったそうですが、前述の通り2018年度には史上最高の47万5千人を達成します
ここまでには、数々の出会いがあったそうです
- 小林館長の同世代。相棒であり強い味方、現副館長の戸舘さん
- 良質なアドバイスをくれる、水族館プロデューサーの中村さん
- トリッキーなお土産制作に、ご尽力いただいている中小企業の皆様
- そして何より、一緒に働く飼育員さん達
“ボクがある程度好き勝手なことをできるのは、「またあの人、よくわからんことしとるなぁ」と思いながらも、温かく見守ってくれている飼育管理や運営維持をしてくれている飼育員のおかげです”ー「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記(風媒社),2020年,p135-136」小林龍二著
おそらく、小林館長の「熱意」が他の方に伝わり、これだけ多くの「人とのつながり」を生み出しているのではないかと思います
「出会い」は、やってくるものではなく、引き寄せるものなのかも知れませんね
「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記」を読んで
小さくて古い水族館が、今や人気水族館です
そんな水族館の館長がその過程を書いた本を出すとTVで見て、直ちに購入しました
きっと苦労と、復活できたアイデアがあるのだろうと読んでみたら
やっぱり苦労と、復活できたアイデアがそこにはありました!
私のような、小さな施設の会社員にも希望をくれる内容でした
竹島水族館にも実際に行ってみました!
見た目は確かに(笑)古くて小さいなという印象でしたが
中に入ると清潔感があり、子供達の楽しそうな声が聞こえ、温かい雰囲気であふれていました!
今はコロナ禍という苦境にある竹島水族館ですが、検温や消毒、入場制限などを設けながら感染症対策を徹底していました
この先もますます多くのお客さんを笑顔にしてくれることを願い、応援しています!
最後まで読んでいただきありがとうございました
ではでは