今回は「転職2.0」(村上臣著,SBクリエイティブ株式会社)を読んでみました

- 転職を今まさに考えている!
- どうしたら転職って成功するの?
- アフターコロナの転職ってどうなっていくの?
この記事の目次(タップして読みたいところへ)
村上臣さんは元ヤフー執行役員兼CMO
大学在学中 | 有限会社電脳隊設立 |
2000年 | ピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴いヤフー入社 |
2011年 | ヤフーを辞める |
2012年 | ヤフー再入社(36歳でヤフー執行役員兼CMOに就任) |
2017年 | Linkedin(リンクトイン)の日本代表に就任 |
村上臣さんは青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に有限会社電脳隊を設立。
その後、2000年に合併に伴いヤフーに入社。2011年には一度ヤフーを退社されていますが、2012年には再びヤフーに入社されています
36歳にしてヤフー執行役員兼CMOに就任され「爆速経営」に寄与しました
2017年には、米国・人材系ビジネス最前線企業・Linkedin(リンクトイン)の日本代表に就任され、最先端のキャリア・働き方の情報を発信されています
「我慢しながら働く」のはもう古い!
- 「仕事は辛い。我慢するのが当たり前」
- 「上司とうまくいかないけれど、がんばらなければ」
- 「新しい仕事に挑戦したい・・けど次の会社でうまくいくのだろうか」
心をすり減らしながら働く人たちは、たくさんいます
しかし今、日本人を取り巻く環境は大きく変わりました。
本書では、「転職」への思い込みを払拭し、旧時代「転職1.0」から、
新時代「転職2.0」へのアップデートが必要であると語られています
アップデートポイント1:「転職」は自分の「市場価値」を高める手段
これからのキャリアを形成する上で
自分の「市場価値」を高めること
がとても大切です
日本の労働人口は減少しており、人材不足が加速しています。人材が不足していることで個人の業務量も増えてきています
- 「会社になんとかしがみつかなければ」
「会社になんとかしがみつかなければ」と考えながら働くことになると、結婚・育児・介護などライフステージが変わったとしても、会社に自分を合わせようとするため我慢や無理が生じてきます
また、会社自体の体力も落ちてきており、業績悪化やM&Aなどの可能性に怯えながら生活することになります
そんな中、自分の「市場価値」を高めることにより、結婚・育児・介護などでライフステージが変わったとしても、その時その時のライフステージにあった働き方を提示してくれる企業で無理なく働くことが可能になります。
また、他の会社で働くというプランを持っているだけでも、精神的に穏やかに働くことができます
こうした時代の流れから、従業員それぞれのライフステージに合わせた柔軟な働き方を整備した企業も増えてきました
では、自分の市場価値はどのように高めるのでしょうか?
そのキーとなる言葉が
- 「タグ付け」
- 「発信」
「タグ」に関しては、もはや一般的な言葉として定着していますが、いわゆる「ハッシュタグ」など何かを検索したりする際に使う「タグ」のことです。
元々の意味は「荷札」「付箋」などの意味で、ウェブ上では情報を分類する単語やフレーズになります
このタグを自分につけ掛け合わせることで希少性を高め、さらに「発信」することで、企業からのオファーを受け、ミスマッチを防ぐことに繋がります
タグには、
- 「ポジション」
- 「スキル」
- 「業種」
- 「経験」
- 「コンピテンシー」(ある職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性)
大きく分けると以上の4つに分けられます
例えば
- 「ポジション」→「法人営業」「事務職」というタグ
- 「スキル」→「インサイドセールススキル」「テレアポスキル」というタグ
- 「業種」→「自動車業界」「医療業界」というタグ
- 「経験」→「中小企業相手」「チームとして売り上げ2倍にした」「1割部署コストを削減した」というタグ
- 「コンピテンシー」→「顧客とのコニュニケーションが得意」「チームマネジメント力がある」「海外経験がある」というタグ
個々のタグのみ見ると、多くの人が持っているものですが、それを掛け算することで希少性を高めていくことが大切であり、その希少性をさらに高めるために「転職」がとても有効な手段であると感じました
さらに、このタグをSNSなどで発信することにより、自分がフィットする会社を見つけやすく、また、見つけてもらいやすくなるため、就職後のミスマッチを事前に防ぐ効果もあり、タグから企業が興味をもち、それをきっかけに転職先が見つかる、なんてことも起こりうるとのこと
「タグ付け」と「発信」は「転職2.0」に置いて必須です
アップデートポイント2:業界・会社を見極める
- ポジションとは、「法人営業」や「事務職」などのこと
- 業界は、そのまま「IT業界」「自動車業界」など
転職の際にオススメするのが、どちらかを固定する事!
業界を固定しポジションを変えるメリットとして、例えば、ものづくりの現場から営業職につく場合、現場のノウハウを経験しているとパフォーマンスが上がったり、現場スタッフとの連携がスムーズになることがあります
また、今後伸びる熱いスキルを獲得することで、収入を増やせる可能性、さらには、5年後、10年後の未来に複数の選択肢を持つことむできます
ポジションを固定して業界を変えるメリットとしては、最初の3ヶ月ぐらいはたいへんでも、戦力となることが多い
また、他の業界からの風が新たな発見やコラボレーションを生むことがあるそうです
どのポジションが伸びるのかは、定期的に求人情報を見ることが判断材料となります
積極的に求人を採用しているポジションには、多くの需要があるということ。定期的に観察することでより正確になります
また、どの業界か伸びるのかを知るには、業界第1位の会社の有価証券報告書のサマリーを読む、という方法があります
有価証券報告書には、投資家に向けて自社の強み、弱みをさらけ出しています。このサマリーを読むことで業界の市場規模や伸びしろ、課題なども知ることができます
ここで1番大事なのが
「業界第1位」
の部分です。
なぜ2位以下でダメなのか?
2位以下の企業の場合、「トップにどう打ち勝つか!」という偏りが発生し、市場規模が把握にしくいというデメリットがあります
- 「シナジー」とは「相乗効果」
個人と企業が対等な立場となり、ある意味で、お互いに利用しあうという視点です
企業は個人(従業員に限らず)にポジションや環境、武器を提供し成果を獲得し、
個人は、知識や経験を生かし成果を提供することで新たなタグやスキルを獲得する
このような視点を持って情報収集を行うことが大切です
本書では、シナジーが得られる会社の具体例について詳しく語られています

アップデートポイント3:つながりは広くゆるく
「人脈」とは、古くからの友人、同期の仲間や先輩・後輩など気心の知れた近くて狭い強い繋がりというイメージの事です
一方「ネットワーク」は、「直接会ったことはないけど、メッセージのやりとりはしている」などSNSに代表されるようなゆるくて広い繋がりのことです
ネットワークは、業界や企業のキーパーソンと繋がる可能性が高い点があります。
一方「人脈」には、この可能性はとても低いです
さらに、同じ業界の人との繋がりから、自社が最先端からズレていないかを確認することができたり、他の業種からは新たな刺激を受け、気付きやイノベーションを起こす可能性もあります
日本でも経営者や人事担当者が、企業に合う人材に直接アプローチするダイレクトソーシングや、自社の社員に知人や友人を紹介してもらうリファラル採用などが増えてきています
自分が転職したい、このようなスキルを得たいと考えた際に、ネットワークに自分の情報を流すことで、企業と直接繋がったり、転職先の情報を得られたり、紹介してもらえたりとチャンスがもらえる可能性が高まります
自分のスキルなどの情報をネットワークに流す
自分のスキルなどの情報をネットワークに流す
↓
経営者や人事担当がネットワークを通してそのその情報を目にする
↓
経営者や人事担当がその情報の個人に連絡を取る
↓
お互いが合意すれば入社
このような流れを可能にするのがネットワークです
仮に転職に失敗した際、助けてくれるのもまたネットワークです
「この会社があなたのような人材を欲しがっていたよ」「週1でもいいから手伝ってくれない?」など、日本は、人材不足のため、普段からネットワークに貢献し、繋がりを持っておくと、このような救いの声をいただけることがあるそうです
このようなネットワークを持っているというのは安心感にも繋がり「まあこの会社でうまく行かなかったら他に行けばいいや」というメンタルが芽生えれば「我慢しながら働く」世界線からの脱却にも繋がっていきます
それでも「我慢しながら働く人生」を歩みますか?
「我慢しながら働く人生」
これももちろん一つの選択肢です
しかし今、働き方に違和感を持っている方にとって、本書は「転職」というとても高いと感じているハードルの見方を変えてくれるかと思います
時代や転職の価値観、業界や会社の見方、繋がり方は、もうすでに変わっています
「転職2.0」にアップデートし、改めて人生を見直すことが必要なのかも知れません
「転職2.0」を読んで
私自身、10年間勤めていた介護施設を離れる決意をして、この本を手に取りました
自分が考えていた「転職」は、もうすでに古いものになっているとわかりました
また、改めて自分は「転職」がしたいんだということに気付き、退職願を提出しました
「もういい歳なのに転職なんて」「子供生まれたばっかりなのに?」「本当に上手くいくの?(笑)」
色々なことを言われて、正直不安ではあります
しかし本書から学び、自分がしなくてはいけないことも明確になりました
新しい人生を、力強く歩んで行けたらと考えています
最後まで読んでいただきありがとうございました
ではでは